20年以上社会人をやってきて、 使わない方がいい言葉・使ってはいけない言葉というものがいくつか絞り込まれてきましたので、個人的な意見ではありますがご紹介していきたいと思います。
では、私が思う社会人が使ってはいけない言葉ランキング第2位は、
「バタバタしてまして」
これを言う人、最悪です。
これまで何人かこの言葉を使う人を見てきましたが、いくつか共通する特徴がありますので書いていきたいと思います。
そして、この言葉を使う人とは、一刻も早く距離を置くようにしています。
基本的に「バタバタしてまして」を多用する人は言い訳が多い人、他責の人です。
よくある使われ方を見てみますと、 「バタバタしてまして~」 のあとには、
- ちょっと遅れています。
- まだ出来ていません。
- まだ手が付けられていません。
- これからやるところです。
などの言葉が続きます。
「バタバタしてまして」 と言うのはただの言い訳
誰かと何かの約束をしていて、それが期限までに間に合っていない時などに使われたりしますが、そもそも「バタバタして」いたからといって、約束が守られていない時の理由になるのでしょうか?
考えてみれば当たり前ですが、「バタバタ」してようとしてなかろうと、相手からしたら関係ありません。
ただの言い訳です。
自分の作業スピードが遅かったり、作業量の読みが甘かったり、段取りが悪かったりなどの自分の能力不足や、 部下が思うように動いてくれなかったり、 突然上司から別件の仕事を頼まれたりして予定が狂ったりなど、他人に起因することや思わぬアクシデントなども仕事にはつきものです。
それらも含めて“計算”の中に入れられるかが、「バタバタ」するかしないかの分かれ道だと思います。
そもそも自責で考える人は「バタバタしてまして」なんて言いません。
なぜなら、何を言っても言い訳にしかならないとわかっているからです。
問題点の一つ目は、そんなただの言い訳を 自分も さも被害者であるかのように言うところです。
いろいろな「バタバタ」に巻き込まれたから、まだ出来ていない、と。
そして、そんなただの言い訳を言っていることにすら気付いていないのも恐ろしいところです。
「バタバタしてまして」 と言う人は何も改善しようとしない
問題点の二つ目は、周りに振り回されているという被害妄想を持っていることです。
「バタバタしてまして」 と言う人の心理としては、「自分は悪くない、周りに邪魔されて予定通りに出来なかった」と思っているように思います。
ところが会社などで仕事をしていると、いろいろな雑務が飛び込んでくる方が普通です。
その中でいかに自分のペースで仕事を出来るようにするか、環境を整えていけるかが重要なポイントだと思います。
ではどうすれば「バタバタ」せずに済むのでしょうか?
そこで大事なのがマネジメントです。
(マネジメントとは、ここでは簡単に〈管理〉というぐらいの意味にしておきます)
自分自身もそうですし、他者(上司、部下、他社の人など)のことも思い通りとまではいかないまでも、自分の描いた筋書き通りに動いてもらうことで初めて「バタバタ」せずに済むのです。
そのためには常日頃からなにをしているかが大事になってきます。
自分自身の仕事のスピードを正確に把握し、[これくらいのボリュームならこれくらいの時間で終わる]という時間の目安の精度をどんどん上げていかなければいけません。
時間だけではありません。中身の精度も自分一人で1回戦目で100%の完成度のものが作れるのか、まずたたき台を作って第3者の意見などを聞いて2回戦目で完成させるのか、など中身の精度も自分でどれくらいのものが作れるのかを把握しておかなければいけません。
自分では完璧だと思っていても毎回上司から修正されるなどの場合は、その指摘されるポイントを自分なりに分析し、修正される箇所を減らしていくようにしていかなければいけません。
これらの把握が甘いとあらゆる計画の精度が甘くなり、結果、締め切りやいろいろなことに追われ最終的に「バタバタ」することになります。
まずは自分自身の力量を正確に把握し、セルフマネジメント能力を高めていきましょう。
次に他者ですが、上司をマネジメントするのはなかなか難しいですが、上司の行動パターンや思考パターンを分析することで、自分が「バタバタ」せずに済むように策を練ることはできるはずです。例えば上司が普段からいろいろな案件を急にブッ込んでくるタイプの人だったら、それも計算に入れておかなければいけません。
部下については、頼んだ仕事の完成度がいつも低く、毎回手直しをしないといけないんだったら、その時間も計算に入れておかなければいけませんし、部下の仕事の完成度が高くなるよう日頃から根気強く育てていかなければいけません。
外注した業者がよくミスをしたりするんだったら、それも計算に入れておかなければいけませんし、場合によってはほかの業者をあらたに探しておかなければいけません。
当たり前のことばかりですが、これらが出来ていない、またはやろうとしない人はいつまで経っても自分で周りをコントロールできず、逆に周りからやいのやいの言われ、周りに振り回され、気が付いたら「バタバタして」いて期限に間に合わず、さらに「バタバタ」するハメになります。この繰り返し。
誰だって「バタバタ」したくはありません。(と私は思っていますが。)
そのために日々何をしているか、何を改善しているかが、何を勉強しているか、が大事だと思います。
逆に「バタバタしてまして」と言い続けている人は、日々何も改善せず、何の勉強もせず、何も挑戦していない人です。これでは現状維持ではなく退化していきます。
こういった人からは何も得られないばかりか、マイナスの影響を受けるだけですので、可能ならばなるべく関わらないように、そして一刻も早く距離を置くことをお勧め致します。
立場が上の人が「バタバタして」を使う場合
今までは主に立場が下の人が上の人に向かって言い訳に使う場合を見てきましたが、立場が上の人が使う場合もあるので見ていきたいと思います。
上司が部下に使うという場合もありますが、どちらかというと発注者が受注者に使うパターンです。
どうしてもお金を払う側が上で、お金をもらう側が下という感じになってしまいますよね。
そんな関係の時、例えば両者で打ち合わせがあり、発注者側が打ち合わせの時間に遅れた場合こう言ったりします、
「バタバタしてて、遅れちゃってすみませんねぇ」
言われた受注者側は苦笑するしかありません(そうじゃない場合もあるとは思いますが)。
こういう使い方も私はヒドイと思います。
前半でも書きましたが「バタバタして」いたとしてもそれは何の理由にもなりません。ただの言い訳です。
もし、許しを請うならちゃんと謝るべきです。それなのに「バタバタしてて」と言えば相手は何も言えないのを計算済みで全て済まそうとするその態度が気に入りません。
遅刻に限らず、メールのやり取りなどでも発注者側のレスが遅くなった時も、「バタバタしてて」連絡が遅くなったと平気で言ってきます。受注者側はその連絡が遅くなったせいで納期までの時間がタイトになっても何も言い返せない場合が多いと思います。
あくまで一例ですが、そういうクライアントは多いのではないでしょうか。
本来、発注者と受注者の立場は対等なはずですが、残念ながらなかなかそうはなってないと思います。
そして発注者側の落ち度はだいたい「バタバタしてて」で片づけられてしまいます。
上司と部下の関係にしても、上司が「バタバタしてて」と言ったら部下は「はぁ、そうですか」と聞くしかありません。
こういう「バタバタしてて」の一言でなんでも片づける失礼な発注者や上司はいづれ自然淘汰されると思っています。
そうならないかもしれませんが、そうなって欲しいと切に願っています。
「バタバタしてて」を使ってもいい人
最後に、ビジネスの場ではなく、プライベートの場限定にはなりますが、
「バタバタしてて」を使ってもいい人について書きたいと思います。
それは、【子育て中の人】です。
小学生くらいまでの子どもがいる場合は、どうしても「バタバタして」しまいます。
間違えていただきたくないのは、子どもが理由であってもビジネスの場では「バタバタして」は使ってはいけないということです。ビジネスの場では子どもがどうであろうと相手方には関係のないことで、ただの言い訳にしかなりません。
(子どもを理由に遅刻や早退などが悪いと言っているのではありません。あくまで「バタバタして」という言葉は使わない方がいい、という話です。)
つまり、“プライベート”の会話の中でも基本的には「段取りが悪い人」「周りに振り回されている人」ということを自ら暴露しているだけなので使わない方がいいですが、 【子育て中の人】 に限ってはこの言葉を使うのもやむを得ないことだと思います。
なぜなら、子どもの行動は予測不能ですし、振り回されますし、また、振り回されるのも幸せであるからです。
子育て中の人はたくさんバタバタを経験することで、準備や段取りの大切さ、時間の有効活用などを考えると思いますので、それをビジネスの場でも生かせると思います。
まとめ
つい熱くなって長々と書いてしまいましたが、まとめるとビジネスの場で「バタバタ」する人とは付き合わないのが賢明だと思います。もしくはなるべく距離を置くべきだと思います。
自分が「バタバタ」しないためには、日頃から周囲の人をよく観察して、良好な人間関係を築き、自分の能力も向上させていくのが一番の方法だと思います。
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