激安ハイエンド“風”ツーリングカーでおなじみのXPRESSのXQ1Sを、恐れ多くもド素人のわたくしが組み立ててみました。
ラジコンを組み立てるのはこれが2台目(1台目はTT-02B)なので、組み立てに関するノウハウなどはほとんど無いに等しいですが、ハイエンド“風”とはいえ、ハイエンドマシンとほぼ同じ構造のマシンを無事組み立てることができるでしょうか?
取扱説明書なんかもタミヤさんのように親切ではないでしょうし、苦戦が強いられることは想像に難くありませんが、作ってみたいんだから仕方ありませんし、もう買ってしまっているんだから、あとは組み立てるしかありません!早速作っていきましょう!
ド素人が組み立てるハイエンド風ツーリングカー #01
まずは、開封から手順2までです。
手順0:開封
細かく袋詰めされていて、ほぼ組み立ての順番にそってナンバリングされているのでとても分かりやすかったです。
ビスなどその手順で使うものが必要な本数だけ袋詰めされているので、いちいち探す手間がはぶけます。
なぜタミヤさんのラジコンはこうなっていないのか素朴な疑問です。
手順1:Turnbuckle Assembly
初めてのターンバックルの組み立てです。
よく「大変だ」「手が痛くなる」「苦行」などネガティブな感想をよく聞きますが、作るのが好きな人間にとってはこれも楽しい作業です。
私はターンバックルレンチは持っていますが、アジャスターレンチを持っていませんのでとても大変な作業になりそうなものですが、なんとこのキットにはマルチツールという工具(治具?)が同梱されていて、アジャスターレンチがなくてもアジャスターを固定することができます。タミヤのアジャスターレンチなどと比べたら使いやすいとは言えませんが、素手でつかむよりかは100倍楽なのでとても親切だと思います。
(↑このアジャスターレンチがXQ1Sに使えるかは未確認です。)
ターンバックルの組み立てですが、ツールを使ったとしてもアジャスターの樹脂がとても硬いのでねじ込むのは骨の折れる作業でした(でも個人的には楽しい作業です)。
また、組み立てて、これをクルマに取り付け実際に微調整しようとしても、とてもキツキツなのでスルスルとターンバックルが回ってはくれません。
もちろんゆるゆるだと走行中の振動などで回転してしまって、キャンバー角が勝手に変わってしまうなんて事態になりかねませんのでゆるゆるはダメですが、きつ過ぎて動かないのも問題です。調整しようと回すたびにボールからはずれてしまいます。
つまり振動などで勝手に回ってしまわないけれど、調整のために回すときは引っ掛かりなくスルっとヌルっと回るのが理想ということになると思います。
では具体的にどうすればいいのか、、、今のところ初心者の私がたどり着いた結論は、ネジ部にセラグリスやモリブデングリスを塗ってねじ込み、きついけどスムーズに回転するようになるまで何度かねじ込んだりはずしたりを繰り返す、ということです。
もっと違ういい方法をご存知の方は教えていただければと思います。
手順2:Gear Diff Assembly
オイル封入式のギヤデフを組み立てるのも今回が初めてです。
これも後から知ったことなのですが、封入したオイルが漏れないように各部をシールしてあげないといけないようなのですが、無知な私は説明書通りに部品を組み上げていきました。そうです、説明書にはグリスを塗るなどの指示や記載は一切ありません。ハイエンドシャーシを組み立てる人にとっては当たり前すぎて、わざわざ書いてないのかもしれませんね。
本来はギヤデフグリスやダンパーグリスをOリングやガスケット、外との接点などに塗り、オイル漏れしないようにしなければなりません。そうしなければ走行中にオイルが漏れて路面を汚してしまうかもしれません。もし営業しているサーキットなどを走行中にオイル漏れをおこし、路面を汚してしまった場合は走行できなくなり営業補償などの損害賠償になりかねないとの話もあります。
幸い私のクルマは今のところ奇跡的にオイル漏れをおこしてはいないようです。まぁ、公園の駐車場などでしか走らせていない私にとっては漏らしたところで大惨事にはならないと思いますが。
ド素人が組み立てるハイエンド風ツーリングカー #02
手順3から手順5までです。
手順3:Spool Assembly
フロントのスプール(デフではなく差動しないもの)を組み立てるところでつまづきました。
手順通りに袋詰めされていたり、便利ツールが同梱されていたりととても好印象なキットでしたが、説明書はちょっと言葉足らず。
スプールの組み立てで、ビスなどは使わず組み立てるところがあるのですが、そのことについて説明書に書かているのは『CA』という文字。この『CA』が何を意味しているのかさっぱりわからず、作業がストップするのでした。
私が初心者だからわからないだけで、上級者ならすぐにわかることなのか?
海外の製品だから日本ではあまり知られていないことがかかれているのか?
答えは、、、
『CA』とは瞬間接着剤のことでした。
この答えにたどり着くまでの経緯は動画を観ていただければと思いますが、とても不親切に感じました。
やはり日本の製品が一番です(笑)
手順4:Solid Layshaft Assembly
ここは特に問題なく組み立てられました。
しいて言えば、M5という大き目のEリングをはめるのがちょっと大変だったことでしょうか。
手順5:Steering System Assembly
ボールベアリングをたくさん使う箇所なのですが、一か所ボールベアリングを入れ忘れてしまい、だいぶ後になってほぼ組み立てが終わる頃にボールベアリングが余っていること発見し、入れ忘れに気付くのでした。
ド素人が組み立てるハイエンド風ツーリングカー #03
手順6から手順9までです。
手順6:Motor Mount Assembly
特に難しいところはありませんでした。FRPのシャーシやアルミのパーツに見とれながら作業しました。TT-02Bとはだいぶ違いますね。
手順7:Split Mount and Bulkhead Assembly
バルクヘッドがついて、だんだんクルマっぽい形になってきました。
手順8:Motor Mount and Topdeck Assembly
ベルトをはめて、アッパーデッキをつけて、とだんだんカッコよくなっていくのでつい浮かれてしまい、赤い突っ張り棒を入れるのを忘れてしまいました。この赤い部品を入れるのに取り付けたアッパーデッキをはずした方が良かったのですが、横着してアッパーデッキをはずさずに無理やり突っ張り棒を入れてしまいました。無理やり入れた為にどこかでひずみが出ていたかもしれません。やはりこういう場合は横着せずに各部をゆるめたりはずしたりして組み立てるべきでした。
手順9:Upper Clamp Assembly
ここで最大のミスをしてしまいます。
ベルト車で一番重要と思われるベルトのテンションですが、そのテンションをどこで調整しているのかよくわかっておらず、適当に組み立てていってしまいます。(だって説明書になんにも書いてないんだもん。)
やたらベルトのテンションがきつかったのですが、それが合っているのか、間違っているのかさえわからないまま進めるしかないのでした。
この謎が解けるのもかなり終盤になってからでした。
ド素人が組み立てるハイエンド風ツーリングカー #04
手順10から手順13までです。
手順10:Steering Assembly
ワイパー部分をサーボステーに取り付け、シャーシに固定したのですが、シャーシに固定する前にステアリングロッドを取り付けておけば良かったと後悔するのでした。シャーシに固定した後だととてもせまいところで作業しなければならず、ボールエンドにパチンとやるのも一苦労です。変に力がかかってパーツを破損するおそれもあります。すぐにサーボをはずせは良かったのですが、ここでもビス3本はずすのを面倒くさがり、そのままパチンとやるのを強行するのでした。幸いパーツの破損などはしませんでしたが、やはり面倒くさがらずにサーボをはずすべきでした。
手順11:Knuckle Assembly
ユニバーサルも組み立て済みなので、説明書通りに組み立てるだけなのでサクサク進みました。
手順12:Front Arm Assembly
組み立てる上では問題なかったのですが、リバウンド調整というものがよくわかっていなかった私にとっては、やたら硬くてねじ込むのに苦労したM4のイモネジ(ホロービス)が一体何のための部品なのかよくわからないままねじ込んでいました。エントリーモデルにはこんなものありませんでしたから。
このM4のイモネジがリバウンド量を調整するとても大事なものだということは完成してからわかるのでした。
それにしてもこのイモネジ、M4というやや大きめのサイズであり、やたら硬いサスアームにねじ込まなくてはいけないということもあり、手が痛くなるほど大変でした。しかもスルスルとは回ってくれないので、本気でリバウンド量をミリ単位で調整しようとした際に、カカッカカッと引っ掛かりながら回ってしまい微調整ができません。あとでYoutubeの視聴者さんから教えていただいたのですが、ここはグリスを塗ってねじ込む必要があるとのことでした。いろいろなノウハウがあるんですね。
手順13:Front End Assembly
キングピンになるネジの締め具合がとても難しかったです。思いっきり締めたらナックルがスムーズに動かなくなるので、微妙な力加減が必要になる箇所でした。
ド素人が組み立てるハイエンド風ツーリングカー #05
手順14から手順17までです。
手順14:Front End Assembly
シャーシに前足がついて、だんだんクルマらしくなってきたのは良かったのですが、ステアリングロッドやアッパーアームのボールエンドをはめ込むのがとても大変でした。
ペンチが使えない場所は手がとても痛くなりながらパチンパチンとはめていったのですが、これも“産みの苦しみ”と思いながら痛みに耐えました。
手順15:Rear End Assembly
基本的にはフロントと同じになります。
一つだけ違う点が、ユニバーサルシャフトとデフカップが接触する部分の保護のためと思われる部品があって、白い樹脂の部品なのですが、これをユニバーサルシャフトに付けるのがすんなりいかず大変でした。
手順16:Rear End Assembly
これもフロントと同様で、シャーシに後足がついてカッコ良くなってきたのはいいのですが、パチンパチンと大変でした。
手順17:Shocks Assembly
みんな大好きオイルダンパーの組み立てです!
キット付属のダンパーオイルは450番です。
ダンパーグリスというものを持っていなかったので使わずに組み立てました。
グリスを塗る?塗らない?論争がしばしば散見されますが、どうやら正解は無いようなので、いろいろやってみて自分流の答えを見つけるしか無さそうですね。
といいますか、初心者からしてみたらダンパーの作り方は複雑怪奇そのものです。なぜならYoutubeなどを見てもみんな言っていることがちょっとづつ違ったりします。どうして“これ!”っていう組み立て方がないのでしょうか?
まぁ、そこがこだわりのポイントだったりして、面白い部分でもあるのでしょうが・・・
ド素人が組み立てるハイエンド風ツーリングカー #06
手順18から手順21までです。
手順18:Rear Shocks Installation
ダンパーステーをシャーシに取り付けて、ダンパーを取り付けます。
ダンパーがついていよいよカッコ良くなったのですが、やはり取り付けの際に手がとても痛くなります。
後になって気付きましたが、ピボットボールを先にダンパーエンドにペンチで取り付ければ良かったと思います。そうすれば手を痛めずに取り付けられました。
でも作っているときには気付かなかったんですよね。
手順19:Front Shocks Installation
フロントもリヤと同様です。
あと、バッテリー固定用のパーツもここで取り付けます。パーツの取り付け自体は簡単だったのですが、この時点でどうやってバッテリーをシャーシに固定するのかわかっていません。
TT-02Bのようにバッテリーがハマる場所も、バッテリーを上からおさえる部品もありません。これでどうやってバッテリーを固定するというのか、皆目見当がつきません。この答えを見つけるためにかなりの時間を費やすのでした。
手順20:Bumper Assembly
特に難しい点はありませんでした。
これでシャーシの組み立てはひと段落したのですが、メカ積みに備えて机の上を整理していたらボールベアリングが2個残っていました。たしか予備は無かったはずなので、どこか入れ忘れている箇所がある、ということでいろいろ見直したところ手順5のところで入れ忘れていた箇所があることが判明しました。
サーボ周りをシャーシからはずして、ステアリングワイパーの部分を組み直すことになったのですが、かなりテンションが下がりました。なんせ「出来上がったぁ~」という達成感からの作り直しです。
やっとゴールが見えたと思ったのに、、、三歩進んで二歩下がる、みたいな感じでとても嫌でした。でもこれは完全に自分のミスなので説明書のせいにはできません。
他にも見落としがないか不安になってきますが、次の工程に進みたいと思います。
手順21:Electronics Assembly
メカ積み、のはずがタイヤを作るだけで終わってしまいました。
バギーではタイヤを接着しなかったので今回が初のタイヤの接着です。
タイヤの接着もいろいろノウハウがあるようなのですが、兎にも角にもこの時は初めてのことだったのでよくわかっていないまま接着を行いました。
タイヤを接着するといっても、どの部分にどのくらいの量を流し入れればいいのかよくわかりませんし、第一にあのサラサラな瞬間接着剤が慣れないせいかとても扱いにくいです。
このタイヤ貼りも、何回も経験して体で覚えていくしかなさそうですね。Youtubeではたしかに説明が難しいところだと思います。
ド素人が組み立てるハイエンド風ツーリングカー #07
メカ積みの続きからシェイクダウンまでです。
手順21:Electronics Assembly
前回、タイヤ貼りだけで終わってしまいましたので、今回が本当のメカ積みです。
メカ積み自体は難しくはなかったのですが、ここでのハードルは“バックラッシュ調整”ですね。
人生初のバックラッシュ調整を行いましたが、入門本などにならって紙をはさんでやってみましたが、果たしてこれで合っているのか?最適な調整が出来ているのか?よくわかりませんでした。
しかも、(これもあとでわかったことですが)スパーギヤのピッチが64Pということで、どちらかというと繊細な部類になるとのこと。ギヤの目が細かいので、それだけバックラッシュ調整もシビアになるようです。さすが“ハイエンド風”なだけあります。初心者が手を出してはいけないシャーシだったのかもしれません。でも勉強になることもたくさんあったので良しとしましょう。
最後までわからなかったバッテリーの固定方法も2日間ネット上を調べまくり、やっとわかりました。
たどり着いたのはタミヤTRF420の説明書です。シャーシの構造が似ているこちらの説明書に知りたい情報が書かれていました。バッテリーの固定にはグラステープを使うこと。そして、もう1つ知りたかったベルトのテンションの調整方法も書かれていました。ベルトのテンションがやたらきつかった理由もわかり、適正(と思われる)なテンションにすることができました。
これでモヤモヤはすべて解消され、やっと完成しました。
Shakedown
ついにシェイクダウンです。
シェイクダウンといっても近所の公園で軽く走らせる、というか動かす程度でしたが。
ツーリングカーは豪快なジャンプとかはしませんが、オフロードとはまた違った魅力があるジャンルのクルマだと思います。微妙なセッティングの違いを楽しんだり、タイヤのグリップを生かした走りを追求したり・・・
今までオフロードにしか興味がありませんでしたが、衝動的にこの激安ハイエンド風ツーリングカーを手に入れてしまったので、これからオンロードカーも楽しんでいきたいと思います。
いかがでしたでしょうか?
(わかっていたことではありますが)ド素人にはなかなかハードルの高い組み立てとなりました。
でも、入門機のTT-02Bとの違いなんかを確認しつつ、楽しくもとても勉強になる組み立てでした。
もし、ハイエンドマシンに興味はあるけど、組み立てが難しそうと思われている方がいらっしゃったら、まずはこの激安マシンで一度組み立ての練習をしてみるのもいいかもしれませんね。
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